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【 経営者のためのすぐに役立つマンスリー 税の素 】 [ 第12回 ]
● 生命保険の活用 ●
税理士 三輪 厚二(大阪、大阪市)
決算が近づいてきた頃、思いもかけない収入があって税金対策で困ったことはありませんか。今回は、そんなときの生命保険の活用方法についてお話
しましょう。
■生命保険の上手な活用方法
生命保険といえば、死亡保障を目的として掛けるものと、一般的には考えられていますが、実はこの生命保険、掛け方によっては、
イ 会社の節税
ロ 会社の内部留保づくり
ハ 役員退職金の準備
などに活用できるほか、相続面においても
a 節税対策
b 遺産分割対策
c 納税資金対策
などとしても使えますし、また、老後の生活資金の原資としても使えるなどさまざまな活用方法があるのです。
今回は、そのうち、「会社の決算対策」として活用する方法をご紹介しましょう。
■決算対策に活用する生命保険
決算間近に思いがけない収入が入ってきた場合、皆さんはどうされてますか? もちろん、いろんな対策を実行されていると思いますが、生命保険を
活用するという手もありますので、一度検討してみてください。使う保険は「定期保険」です。
定期保険は、基本的に掛け捨てで満期保険金のない保険ですから、解約しても返戻金はないのですが、保険期間が長期のものであったり、保障金額が
保険期間の経過に伴って逓増するものを中途解約した場合には、かなりの返戻金が戻ってくるものがあります。こうしたものを活用すれば、課税の繰り
延べ(節税)をすることが可能なのです。
では、その取扱いをご説明しましょう。
■生命保険の活用プラン
1 活用プラン
保険は、支払った保険料の全額が損金となる「定期保険」を使います。保
険料の1/2とか1/2又は1/3若しくは1/4が損金になる保険もあり
ますが、それらについてはまた別の機会にご説明することとします。
2 会社の税務処理
このプランの税務上の取扱い及びポイントは、次のようなところです。
イ 契約形態
契約形態は、契約者及び保険金受取人を会社、被保険者を役員又は従業員としてください。保険金受取人を役員又は従業員としますと、保険料相当額
はその役員又は従業員に対する給与となりますので注意が必要です。(全員を対象にするなど普遍的に加入していると認められる場合は損金算入
できます)
[契約者] 会社
[被保険者] 役員又は従業員
[保険金受取人] 会社
ロ 被保険者
被保険者は、役員や従業員であれば、特定の人だけを対象としても特に問題ありません。
ハ 保険料の支払方法
保険料は、期間の経過に対応する分のみ損金に算入できます。したがって、保険料を一時払いしたり数年分まとめて支払ってもその事業年度に対応する保険料部分しか損金の額に算入できませんので注意してください。
ただし、年払いについては月払いの変形とみられますので、その支払ったときに全額損金として処理することが認められます。したがって、たとえば決算
月に1年分の保険料を年払いすれば、その期に1年分が損金計上でき、節税効果を大きくすることができます。
ニ 保険金の額
特に制約はありませんが、節税できるからといって、べらぼうに高い保険に加入しますとトラブルになりかねません。保険の持つ本来の意味を考えて加入
するようにしましょう。
ホ 解約時の処理
契約を中途解約した場合には、通常、返戻金が発生します。返戻金は、その受け取ることとなった事業年度の益金に算入されますので、解約する場合は、
そのタイミングも考える必要があります。
3 役員、従業員の税務
会社が負担した保険料は、被保険者である役員や従業員の給与となることはありません(課税関係は何も生じません)。
■会社で保険に加入する場合の注意点
会社で生命保険に加入する場合には、加入する保険の種類や契約形態、被保険者によって保険料の処理が異なります。どういった目的でどういった保険に加入するのか、その場合の契約形態、被保険者は誰にしたらよいのかを確認して間違いのないよう契約しなければなりません。
全額損金になる保険だと思っていたら実は違っていたとか、損金になると思っていたら給与課税されるものだったとかいうことがよくあるので、この点、
十分注意しなければなりません。
■保険料の全額が損金とならない定期保険
なお、今回は、保険料の全額が損金となる定期保険のプランをお話しましたが、同じ定期保険でも保険期間の長いもの(長期平準定期保険)や保険期間の
経過に伴って保障額が逓増するもの(逓増定期保険)については、長期平準定期保険は支払保険料の1/2、逓増定期保険は支払保険料の1/2又は1/3若しくは1/4しか損金に算入できないものもありますので注意してください。 |
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