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【 経営者のためのすぐに役立つマンスリー 税の素 】 [ 第24回 ]
  
●中小企業にとって気になる税制改正●

                                                                    税理士 三輪 厚二(大阪、大阪市)

  今年度の税制改正では、役員給与や交際費課税について大幅な改正が行われましたが、その他にも、中小企業の同族会社にとって気になる改正が行われていますので、今回はこれをまとめてみることとします。

■留保金課税

1..留保金課税の概要
 留保金課税制度とは、特定同族会社に対して適用される制度で、その特定同族会社が所得のうち一定金額(留保控除額)を超える金額を社内に留保した場合に、通常の法人税のほかに、留保控除額を超えて留保した所得に対し、10%から20%の税率による法人税を課すというものですが、これまでは、次の中小企業者等については時限的に適用されないこととなっていました。

@中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律の中小企業者に該当する同族会社…同族会社の設立の日を含む事業年度からその設立の日以後10年を経過する日を含む事業年度までの各事業年度

A中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律の承認を受けた中小企業者に該当する同族会社…その事業年度終了の時において承認経営革新計画に従って経営革新のための事業を実施している場合におけるその事業年度

B各事業年度終了の時における資本又は出資の金額が1億円以下の同族会社で前事業年度終了時における自己資本比率が50%以下であるもの…その事業年度

2.改正点
 平成18年度の税制改正では、この留保金課税について、同族会社の判定基準が見直され、内部留保に対する控除額が引き上げられるとともに、中小企業者等に対する不適用措置が、中小企業新事業活動促進法の経営革新計画の承認を受けた中小企業者で経営革新のための事業を実施しているものについてしか認められないこととなりました。
 したがって、設立後10年以内の中小企業者等については、今後は留保金課税の対象となりますので注意が必要です。


改正前 改正後
特定同族会社の判定 同族関係者3グループで株式等50%超保有の法人 同族関係者1グループで株式等50%超保有の法人
留保控除額  いずれか多い金額 @所得基準額 所得等の金額の35% 所得等の金額の40%(中小法人は50%)
A定額基準額 年1,500万円 年2,000万円
B積立金基準額 期末資本金×25%−利益積立金額 期末資本金×25%−利益積立金額
C自己資本比率基準額(中小法人のみ) なし 自己資本比率が30%に達するまでの金額

      自己資本
    ──────
       総資産
不適用措置 設立後10年以内の中小企業者 廃止
中小企業新事業活動促進法の経営革新計画の承認を受けた中小企業者で経営革新のための事業を実施しているもの 2年延長
自己資本比率が50%以下の中小法人 廃止
(注1)
 特定同族会社とは、被支配会社で、被支配会社であることについての判定の基礎
となった株主又は社員のうちに被支配会社でない法人がある場合には、その法人
をその判定の基礎となる株主又は社員から除外して判定するものとした場合にお
いても被支配会社になるものをいいます。

(注2)
 被支配会社とは、会社の株主又は社員(会社が自己株式等を有する場合のその
会社を除く)の一人並びにこれと特殊関係にある個人及び法人がその会社の発行
済株式又は出資(自己株式又は出資を除く)の総数又は総額の50%を超える数又
は金額の株式等を有する場合その他一定の場合におけるその会社をいいます。

3.適用時期
 この取り扱いは、平成18年4月1日以後に開始する事業年度において適用されます。

■中小企業者の即時償却

1.中小企業者の即時償却の概要
 青色申告の中小企業者が取得した取得価額30万円未満の減価償却資産は、その事業の用に供した事業年度において損金経理をすることを要件に、取得価額の全額を損金算入することができるとなっていました。

2.改正点
 しかし、今年度の税制改正では、損金算入できる金額の限度を年300万円とする改正が行われましたので、多額の30万円未満の減価償却資産を取得する場合には、注意が必要です。

3.適用期限
 この取り扱いは、平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に取得した減価償却資産について適用があります。
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