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【 経営者のためのすぐに役立つマンスリー 税の素 】 [ 第6回 ]
●上場株式の譲渡損が出た場合はどうする●
税理士 三輪 厚二(大阪、大阪市)
確定申告も中盤に入ってきましたが、もう申告は済まされましたか?今年よく尋ねられる質問の一つに「上場株式の譲渡損があるんだけど、どうした
らいい?」というものがあります。証券税制、ちょっとややこしいですよね。そこで今回は、上場株式の譲渡損の活用方法や申告時の注意点などをお話す
ることとします。
■ポイント
1 上場株式の譲渡損益は、他の所得、たとえば事業所得や給与所得と通算することは認められませんが、他の上場株式の譲渡益と通算することは認
められます。
2 上場株式の譲渡損失は、申告書の提出など一定の要件の下、翌年以後3年にわたって繰り越すことができ(損失の繰越控除)、この間に譲渡益が
出れば、この譲渡益と通算することが認められます。
3 損失を繰り越すための申告を確定申告の期限までにしなかった場合でも、税務署の決定が行なわれるまでは、期限後申告や更正の請求をすれば損失
を繰り越すことができます。
4 特定口座(源泉徴収口座)を選択している場合であっても、損失が出ている場合や税金を還付してもらう場合には確定申告をすることができます。
■源泉徴収口座で上場株式を売買している場合
源泉徴収口座で上場株式を売買して、年間取引が損失になったという場合は、そのままにしておきますとその譲渡損失は切捨てになってしまいますの
で、こうした場合には、確定申告をして譲渡損失の繰越控除の手続をしておくとよいでしょう。そうすれば、翌年以後3年間、その損失が繰越しでき、
その間に譲渡益が出れば、その譲渡益と通算することができるようになります。
平成17年 譲渡損失 △100 …確定申告(譲渡損の繰越控除)
平成18年 譲渡益 300
─────────────
通算 200
■源泉徴収口座が損失、その他の口座は益が出ているという場合
源泉徴収口座が損失、その他の口座は益が出ているという場合は、確定申告をするとよいでしょう。そうすれば、源泉徴収口座の損失と他の簡易申告
口座(源泉徴収しない口座)又は一般口座と損益通算ができ、納税額が減少することがあります。
源泉徴収口座 譲渡損失 △100
簡易申告口座 300
一般口座 150
他の証券会社の口座 250
───────────────
通算 600
■その他の口座が損失、源泉徴収口座は益が出ているという場合
源泉徴収口座は益が出ているがその他の口座は損失という場合は、確定申告をするとよいでしょう。そうすれば、これらの損益通算ができ、税金が還
付されたり納税額が減少することがあります。
源泉徴収口座 300
簡易申告口座 譲渡損失 △100
一般口座 150
他の証券会社の口座 250
───────────────
通算 600
■確定申告をする場合の留意点
1 配偶者控除の対象となっている配偶者が確定(還付)申告をする場合
配偶者控除の対象となっている配偶者が税金の還付を受けるため、確定申告をする場合には、譲渡所得金額の取扱いに注意が必要です。
すなわち、上場株式の譲渡所得金額は、源泉徴収で納税を完結する場合は、合計所得金額(税額計算の対象になる所得金額)に含めないのですが、確定申告をする場合には、合計所得金額に含めて計算することとされています。
したがって、配偶者控除の対象となっている配偶者が、源泉徴収された税額を還付してもらうための確定申告をするような場合は、譲渡所得金額を合計
所得金額に含めた金額が所得金額となりますので、その額が基礎控除額の38万円を超えますと、夫の配偶者控除の対象から外れてしまう(適用が受けら
れなくなる)ことになります。この点、注意してください。
2 住宅取得資金の贈与を受ける子供が確定申告をする場合
親子間(祖父母も)で住宅取得資金の贈与をし、住宅取得資金の贈与特例を受けるという場合には、子供の合計所得金額が1,200万円以下でなければな
らないという所得制限がありますが、この場合においても上記1と同様の注意が必要です。すなわち、源泉徴収口座で納税を完結する場合はいいのです
が、確定申告をする場合には、その譲渡所得金額を合計所得金額に加算し、その加算後の金額が1,200万円以下になっていなければ適用が受けられませんので、注意してください。 |
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大阪市中央区備後町2−4−6 税理士三輪会計事務所 所長 三輪厚二(税理士)
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