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【 経営者のためのすぐに役立つマンスリー 税の素 】 [ 第8回 ]
  
● 人材投資減税―平成17年度税制改正より ●

                                                                    税理士 三輪 厚二(大阪、大阪市)

 平成17年度の税制改正が施行され、政令も公布されました。増税が目につく今年度の改正で何か役立ちそうなものはないか、とみてみるとこんな
ものがありました。「人材投資減税」です。
 今回は、この制度のご紹介をしましょう。

■制度の概要

 この制度は、社員のスキルアップに必要な講習や研修などの費用(教育訓練費といいます)を会社が負担した場合に、一定の金額を税額から控除して
くれるという制度で、「人材投資減税」などと呼ばれています。利益の上がっている会社は、社員研修で節税というのはいかがでしょうか。
 この制度は一般法人と中小企業者等に分けられ、次のようになっています。

1 一般法人及び個人
 [要件]
  ・青色申告をしていること
  ・当期又は当年支出した教育訓練費の額が、その直前2年以内の教育訓練費の平均額を超えていること(超えている金額をAとする)
    教育訓練費−直前2期の教育訓練費の平均額=A
 [税額控除額]
  ・Aの25%相当額を当期の法人税額から控除することができる(ただし、その年度の税額の10%相当額が限度となる)。
    税額控除限度額=A×25%(その年度の税額の10%相当額を限度)

 (設例)
  ・平成18年3月期の教育訓練費       200万円
  ・平成16、17年3月期の教育訓練費の平均 100万円
  ・税額控除額=(200万円−100万円)×25= 25万円
  ・平成18年3月期の法人税額 100万円
  ・税額控除限度額
            180万円×10%=18万円≦25万円
                      ∴ 18万円

                   
2 中小企業者等
 中小企業者等については、上記1に代えて、当期の教育訓練費に次の特別税額控除割合を乗じて求めた額を当期の法人税額から控除することが認めら
れる(ただし、その年度の税額の10%相当額が限度となる)。
 
 [中小企業者等とは]
   中小企業者等とは、資本金又は出資金が1億円以下の法人(大会社の子会社などは除く)及び常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人、
   個人で青色申告をしている者をいう
 [特別税額控除割合]
  (教育訓練費−直前2期の教育訓練費の平均額)÷直前2期の教育訓練費の平均額・・・・・・・・・・・・・・・・・B
  ・Bが40%以上の場合 ──→20%
  ・Bが40%未満の場合 ──→B×0.5

(設例)
  ・平成18年3月期の教育訓練費       200万円
  ・平成16、17年3月期の教育訓練費の平均  100万円
  ・特別税額控除割合(200万円−100万円)÷100万円=100%(40%以上)──→20%
  ・税額控除額=200万円×20%=       40万円
  ・平成18年3月期の法人税額 500万円
  ・税額控除限度額 
            500万円×10%=50万円≧40万円
           ∴ 40万円

3 適用開始日
 ・法人は、平成17年4月1日以後開始事業年度から
 ・個人は、平成18年分から

■教育訓練費とは
 教育訓練費とは、社員の職務に必要な技術又は知識を習得させ、又は向上させるための費用をいい、次のようなものが該当します。
イ 講師又は指導者に対する報酬、料金、謝金、講師等の交通費等
ロ 講習のための施設の賃借料、コンテンツの使用料(コンテンツの取得費用は除く)
ハ 外部教育機関に教育訓練全体を委託した場合のその費用
ニ セミナーや専門学校などに支払う授業料、受講料、受験手数料等
ホ 教育訓練に必要な教科書、教材にかかる費用

■注意点
 この規定を適用するについては、次の点に注意しなければなりません。
イ 使用人兼務役員及び役員と特殊関係にある者に対する教育訓練費は対象になりません。
ロ 自社の役員又は使用人を講師等として支払う教育訓練費は対象になりません(親会社や関連会社の社員等に支払う教育訓練費は対象になります)。
ハ 講習に行くための交通費などは対象になりません。
ニ 設立事業年度については適用がありません。
ホ 適用を受けるには、申告書にこの規定の適用を受ける旨を記載し、金額の計算に関する明細書の添付をしなければなりません。
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